私の話が、他職種から介護業界に転職しようと考えている人、「転職後、介護の道が自分と合わなかったらどうしよう」そんな不安を抱えている人の参考になればいいと思う。介護業界には、これまで介護の仕事と全く関係のない職種についていた人たちがヘルパーとして多く入職してくる。私の勤めている職場にもそういった人は多く、転職してきた理由はさまざまだ。
ケース1:30代後半のサラリーマンの話
彼は大学卒業後、そこそこ大手の企業に入社し、SEとして活躍していた。その後、度重なる残業などを不満に転職をし、コンビニ店長として活躍。さらにスーパーバイザーへとステップアップを果たし、接客経験を活かしながら市場動向の把握、店舗の運営を行っていたそう。畑違いの職種から何故接客の道へ進んだかというと、「大学時代に働いていた居酒屋での接客経験が楽しかったから」だと言う。そんな彼はスーパーバイザーとして世界動向などを見つめ、人との関わり方を経験し、より一人ひとりの生活を支えられる仕事はないか?と、介護の仕事へと転職をしてきたらしい。
ケース2:50歳間近の男性の話
高校卒業後、こちらも大手自動車メーカーでの設計などに携わり、多くの車を作ってきた。その後は製造業にも興味を持ち、20年近くは製造一筋。誇りをもって仕事をしてきたらしい。そんな彼も50を目前にし、新たな自分の可能性を求めて転職を考えた。そこで目に付いたのが介護の仕事。テレビで毎日のように報道される「高齢化社会」について。その一途を辿る日本に危機感を持ったのだという。年齢は気になるものの、自分も何かの役に立てるのではないか、そう思った彼は転職に踏み切った。
彼らは介護経験はもとより、介護の知識がカケラもない状態での転職だった。しかし、介護の職は経験よりも「想い」が重要な仕事である。
今では貴重な男性ヘルパーとしてその体力が重宝され、施設になくてはならない存在として活躍してくれている。